• 作・絵／たなか　しん
• 定価／本体1,500円+税
• 20×14cm　151頁
• ISBN978-4-7764-0924-3

第５３回日本児童文学者協会　新人賞受賞　お正月の朝。　おとんは夢で、牛みたいな大きな茄子にのって富士山に行き、「餅が焦げないようにしてください」と願ったという。　ただの夢だと思ったが、なんと、僕がオーブントースターに入れた餅に焦げ目がつかない！　おとんの夢の願いが叶ったのだ！　夢の中で富士山は、もうひとつ願いを叶えると言ったという。　おとんとぼくは考えた。　叶えてほしい願いはただひとつ。　おかんを生き返らせてほしい・・・　僕が小学校卒業を間近に控えた冬、おかんは、交通事故の翌日亡くなった。　それから３年。　僕とおとんは、それぞれに苦しみに向き合っていた。　突然の家族の死。　その現実に向き合い、乗り越える親子の姿を軽妙な関西弁を駆使して描く。　２０１９年１月、毎日新聞に連載されたものに、加筆したものです。